先月末、書の展覧会と授賞式に参加する為に、徳島へ行って来ました。
その用事が済んだ後、徳島と言えば鳴門の渦潮、と言う単純な考えで、大鳴門橋の下に有る「渦の道」にも行きました。
そこで初めて見た鳴門の海は、期待を大きく上回る興味深さで、いくら見ても飽きると言う事がなく、しばらく眺め続ける事になりました。
渦は決まった場所に有るのではなく、あちらこちらにできてはまた消えて行き、海の様子は刻々と変化していました。
渦そのものと言うより、海が流れている、と実感される全体の様子が、おもしろかったのだと思います。
またこうしたおおらかな自然の営みは、人間が行うパフォーマンスやスポーツと違って、それを見ている人間とは関係無く現われて関係無く消えて行き、それが繰り返されているのだな、と思うと、何とも言えず穏やかで、広々とした気分になりました。
自分自身では覚えていないのですが、亡くなった母の話しでは、私は子供の頃、洗濯機の中身がぐるぐる回るのを見るのが好きで、いつも椅子に乗って眺めていたそうです。
この風景を前にして、その頃の自分に戻ったのかも知れません。