2022年12月29日

タカハシセンセイの論語教室 : Teacher Takahashi's Classroom for Rongo

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去年読んだ高橋源一郎さんの著作「一億三千万人のための「論語」教室」。
論語全499編について平易な現代語訳と簡潔な解説が記されている。
かの孔子は老子でも先生でもなくセンセイになっていて、とにかく親しみ易い。
親しみ易過ぎて不自然、と言う批判は有るだろうけれど、この本に出合わなければ僕は論語の世界をほとんど知らないまま過ごしていただろう。
本の途中に記された「折り返し地点で」と言う高橋さんの文章に面白い視点が有って、論語には権力を縛る、立憲主義とも言える考え方が見られると言う。
そう考えると、孔子が実在したかどうか解らない過去の堯や舜を理想の王とみなしていた事は、後の時代の王が好き勝手な事をしないような歯止めとしてだった、と解釈出来そうだ。
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2022年06月01日

ウクライナで起こっている事と私達の問題 : The happenings in Ukraine and a matter of us

ロシア軍がウクライナへ侵攻してから3か月が過ぎた。
戦争が終わるまでにはまだ時間が掛かり、終わったとしても亡くなった人は帰らず、人々の気持ちも元には戻らないだろう。
日本に居る私達にも無関係ではあり得ない。
少し前にはフィンランドとスウェーデンが中立政策を捨ててNATOへの加盟を申請した、と言うニュースを聞いて、とてもがっかりした。
日本がアメリカへの過度な依存を改め、近隣諸国との関係を良くしようとするなら、両国は手本になる筈だったのだ。
私達の社会は長い目で全体を見れば良い方向へ向かっていると思いたいけれど、暫くはそう思う事が許されないのだろうか。
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2022年04月29日

一語一絵、地球を生きる : One word, One art, Living in the earth

一語一絵、地球を生きる上巻

一語一絵、地球を生きる下巻

去年岩崎駿介さんのご自宅である落日莊を訪ねた事を先輩の建築家にお話ししたら、「一語一絵、地球を生きる」と言う岩崎さんの著作を持って来て下さった。
上下2巻で上巻は社会的な内容、下巻は空間やデザインについての内容で、建築家である自分にとっては下巻の方が近しい世界ではあるけれど、読んでみてより心に残ったのは「地球上の富めるものと貧しきものとの対立」と題した上巻の方だった。
現在先進国と言われる国の都市に住む人間、それは私達の事なのだけれど、は同じ国の過疎地域に住む人達や、途上国と言われる国に住む人達に支えられ、その人達を犠牲にする事で豊かな生活を送っている。
私達はまずその事に気付き、それを少しづつでも変えて行かなければならない。
そうした岩崎さんの主張には説得力が有るし、その通りなのだろうと思う。
しかし今私達が手にしている豊かさを手放す事は、簡単ではない。
自分の事を考えても、祖父母が送ったような生活には戻りたくないし、今の家族にそうした思いをさせたくない、と思ってしまう。
その一方でやはり、他の人達を犠牲にしたままでいたくない、とも思う。
簡単ではない道を探して行くしかないのだろう。

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2022年02月10日

シネマベティで観た「誰かの花」 : ”Somebody’s Flowers” on Cinema Betty

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映画館、シネマ・ジャック&ベティの30周年企画映画「誰かの花」。
舞台はジャック&ベティが有る横浜の若葉町周辺と、郊外の竹山団地。
カトウケンスケが演じる主人公の孝秋は以前に兄を事故で亡くし、今は鉄工所で働きながら団地に住む年老いた両親を気遣って時々訪ねるが、強風が吹き荒れるある日、新たな事故が起こる、、、、
ありふれた風景とどこにでも居そうな人達、自分の周りで起きてもおかしくない事件が、抑制が効いた画像と音楽で表現される。
自分は客席に居てスクリーンに映し出される世界を観ている筈なのだけれど、そうとは思えない現実感と切実さが有り、それでいて空想的な拡がりも感じられる。
今まで僕が観た映画にはこうしたものは無く、ベストの一つ、だと思う。
映画の公式サイトは下記。
http://g-film.net/somebody/
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2021年08月27日

在日米軍 : U.S. Forces Japan

在日米軍

梅林宏道さんが書いた「在日米軍」と言う本を、これは読まなければならない、と思って読んだ。
僕が住む神奈川県には、沖縄県に次いで多くの在日米軍基地が有る。
在日米海軍司令部が有る横須賀海軍基地や、厚木飛行場、在日米陸軍司令部が有るキャンプ座間、相模総合補給廠、横浜ノースドックなどだ。
1977年に横浜市北部で起きた米軍機墜落事故は、僕が住む街で起きても不思議ではなかった。
この本は、在日米軍とはどのようなものなのか、基本的な事を教えてくれる。
一貫して説明されているのは、在日米軍は日米安全保障条約を根拠として存在しているにも関わらず、実態は日本の防衛を主眼とするものではなく、世界的に展開する米軍の一部分でしかない、と言う事だ。
梅林さんの試算によれば、在日米軍の兵力は、その活動範囲を日米安全保障条約に従って極東に限定すれば、1/5に削減出来ると言う。
そしてその実態を許し続けているのが日本政府であり、その政治を続けさせているのは僕達国民と言う事になる。
しかし政治が何も出来なかった訳ではないし、これから幾らでも出来る事は有る。
多くの人に読んで貰いたい。
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2021年07月30日

東京オリンピックについて : About Tokyo Olympic games

東京オリンピックが1年遅れで開催されている。
近くで行われているにも関わらず、これ程気持ちが乗らないオリンピックは今まで無かった。
冷静に考えれば、世界中で新型コロナウィルスが収束していない今の状況で、行うべきではなかったのだろう。
ただ、出場している選手やそれを支えるスタッフの人達にとっては、オリンピックが開催される意義はやはり有ったと思う。
それに向けて費やされた多大な努力、労力が発揮される機会が失われるのは、忍びない。
震災復興の為とか、青少年の為とか言う理由を付けずに、選手達の為にオリンピックを開催する、と単純に位置付けた方が良いのではないだろうか。
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2021年03月02日

会計の世界史 : World History of Accounting & Finance

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会計について少し知りたいと思って、田中靖浩著「会計の世界史」と言う本を読んでみた。
本文はまず、レオナルドダヴィンチの出生をめぐるエピソードから始まる。
会計の基本と言える簿記とそれを必要とする銀行が、15世紀のイタリアで生まれたからだ。
そこから物語は、舞台をオランダ、イギリス、アメリカへと移しながら現代まで進む。
今知られている会計の考え方には、簿記のように古い歴史を持つものも有れば、コーポレートファイナンスのように最近出て来たものも有り、それぞれが時代と社会に応じて生み出されて来た。
だからそれ等を学ぶ時には、単なる知識や手法としてでなく、何を問題にしているのかを考えなければならない。
終わり近くでは、マイケルジャクソンがビートルズの曲の権利を買った話しから、原価と時価、会計とファイナンスの違いなどが説明されて、最後まで飽きさせない。
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2020年10月30日

不死身の特攻兵 : Immortal special attack soldier

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太平洋戦争で日本軍が行った、搭乗員の死を前提とした特別攻撃、特攻。
日本人なら誰でも、また日本に興味を持つ外国人も大抵知っている事だろう。
でもその実態は必ずしも正しく伝えられてはいなかった。
鴻上尚史さんが書いた「不死身の特攻兵」は、陸軍の特攻隊パイロットでありながら9回出撃して9回生きて帰って来た佐々木友次さんについて書きながら、特攻がどう言うものだったのか、当事の人達はそれをどう考えていのたかを記している。
多くの軍人達は特攻を、人道的に考える以前に、戦略として無謀で効果が低いものであると解っていながら、やめられなかった。
しかし佐々木さんのように違った考えを持ち、実際にそれを貫いた人も居たし、それを可能にした上官や同僚もまた存在した。
その事には、今を生きる僕達が希望を感じて良いと思う。
この本が出たのは2017年で、戦後72年が過ぎていたけれど、貴重な声が失われて行くと同時に冷静に考えられる時期が来たと言う事でもある、と鴻上さんは書いている。
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2020年07月03日

プログレッシブキャピタリズム : PEOPLE, POWER, AND PROFITS

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コロナウィルスが問題になって一時家に居る時間が長くなり、読む本の量が増えた。
その中で一番共感したのは、ジョセフ・E・スティグリッツ(Joseph E.Stiglitz)の「プログレッシブキャピタリズム(PEOPLE, POWER, AND PROFITS)」。
原著は2019年に出版され、アメリカの経済と政治について書かれている。
経済的に成功しているように見える現在のアメリカでは、産業の独占化が進んで少数の富裕層に富が集められ、格差が拡大し、社会の歪みが深刻化している。
原因は40年程前に始まった新自由主義、市場原理主義の政策にあり、今やその行き過ぎた自由化や規制緩和を見直し、政府や公共的な仕組みの役割を大きくして、多くの人が中流階級の生活を送れるようにするべきだと言う。
振り返って考えると、その中流階級の生活とは、戦後の日本がアメリカを手本にして経済と政治を立て直す事で、手にしたはずのものではなかっただろうか。そして再びアメリカに倣う事で、それを手放してしまったのではないだろうか。
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2020年04月30日

100分de名著、善の研究 : Masterpieces by 100 minutes, The reserch of Zen

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コロナウィルスの感染が問題になってから家に居る事が多く、本を読む時間は増えている。
先日、半年前にNHKで放送された「100分de名著、善の研究」のテキストを読んでみた。
「善の研究」は西田幾多郎の有名な著作で、講師は若松英輔氏。
まず面白いと思ったのはこの本を読む順序で、初めに巻末の「知と愛」を読み、そこから第4編、第3編、第2編、第1編と逆に読み進める。
知らなければ絶対にしない読み方だけれど、著者自身もこの本の序に、第1編は初めて読む人はこれを略する方が良い、と書いているし、各編の内容はそれぞれ独立していて後の方ほど平易になっているから、理解し易いと言う訳だ。
そもそも書名の「善の研究」は編集者の提案で付けられたもので、元々著者が考えていた書名は「純粋経験と実在」であり、第1編の「実在」と第2編の「純粋経験」を考える事が核となる問題だと言う。
僕が以前にこの本を読んだ時には、随分と不十分な読み方をしてしまったようだ。
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2020年03月26日

「歎異抄」全訳注梅原猛 : “Tannishou” translated and noted by Umehara Takeshi

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「歎異抄(たんにしょう)」を読んでみた。
講談社学術文庫の1冊で、原文に加え梅原猛さんによる現代語訳と注、解説が付されている。
浄土真宗の祖、親鸞の教えを弟子の唯円が書き記したものだけれど、宗派を超え信仰そのものについて語り掛けて来る。
ひたすら念仏を唱え阿弥陀仏にすがる本願他力の専修念仏(せんじゅねんぶつ)は、世の中の道徳や善悪を超えていて、考える対象ではなく、それを信じるか信じないかの別が有るだけだ。
易行の門とは言うものの、これ程厳しい道はないとも言える。
自分に当て嵌めて考えると、確かに自ら修行して悟れる自信は無いけれど、そうかと言って己を捨て阿弥陀仏にすがる覚悟も持てそうにない。
他の多くの人達も同じではないだろうか。
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2020年01月18日

男はつらいよ、お帰り寅さん : Otokowatsuraiyo, welcome home Tora

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先週末、映画「男はつらいよ お帰り寅さん」を見に行った。
正月に寅さん映画を見る幸せ。
第1作から全て見ているファンとしては、渥美清さんが亡くなった後でこの第50作が出来て良かったと思うし、それを映画館で見られると言うだけで充分に嬉しい。
でもだからこそ、気になる所は幾つも有った。
一つだけ書いておくと、満男と泉が二人とも偉くなってしまって、庶民とは言えなくなっていたのは残念だった。
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2019年11月15日

新・日本の階級社会 : The new class society in Japan

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前々回、野口悠紀雄さんの本を取り上げたけれど、橋本健二さんの著作「新・日本の階級社会」は全く違った視点から社会を描いている。
日本社会はかつて一億総中流の平等な社会と言われていたのに、それが崩れて格差社会となり、さらにその格差が固定されて階級社会になっていて、その階級間の格差はマルクスが着目した労働者と資本家の間より、非正規労働者を中心としたアンダークラスとそれ以外の間で先鋭化していると言う。
思い出すのは、2009年に民主党政権が出来た時、鳩山首相が日本の相対的貧困率が高い事を取り上げて、この恥ずかしい数字をいままで政府は公表しなかった、隠していたら何も改善しない、と言った事だ。
その問題意識は橋本さんと共通しているもので、正しかったと思う。
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2019年10月14日

マネーの魔術史 : The magic history of money

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最近読んだ本で、野口悠紀雄さんが書いた「マネーの魔術史」はとても面白かった。
マネー、つまり貨幣は自分の人生でも周りの社会でも大きな役割を果たしているけれど、解らない事が多い。
この本ではマネーに関わる歴史的な出来事を幾つも取り上げて、その性格や役割を考えさせてくれる。
例えば今日本で行われている異次元金融緩和については、かつて政府が第二次世界大戦を戦う為に戦時国債を発行したのと同じように、財源を税収でなくマネーの操作に頼る事になって財政規律が緩み、結果的にインフレを招きかねない危険な政策、と言う事になる。
同じ野口さんが書いた「日本経済入門」と「世界経済入門」も面白い。
その意見に全て賛成と言う訳ではないけれど、ものの見方が的確で信頼感が有る事は確かだ。
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2019年06月21日

病理学学び始め : Starting to study pathology

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今回病気になって気付いたのは、自分が体の仕組みや病気についてまるで解っていない、と言う事だった。
当然病気の事は病院と医師に任せるのだけれど、診断の内容を理解し納得した上で治療を受けたいとすれば、患者にも知識は必要だ。
それで退院してから読んだのが、仲野徹著「こわいもの知らずの病理学講義」と言う本。
仲野さんは大阪大学の先生で、その講義の内容を近所のおっちゃんおばちゃんにも解るようにと言う方針で書いている。
病理学とは何かから始めて、細胞と血液について説明し、分子生物学の基礎的な知識に触れ、後半は代表的な病気として癌について述べている。
逆に言えば、癌について理解する為には細胞や血液、分子生物学についてある程度解っていなければならないと言う事になる。
相当に専門的でかつ新しい事が書かれているけれど、解り易く読み易い。
入院する前に読めばもっと良かったと思う。
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2019年05月31日

「言語にとって美とは何か」を読んで自分の仕事を考える : By reading "What is beauty for language", thinking about my work

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昨年末、古本で買った吉本隆明の著作「言語にとって美とは何か」の2巻を漸く読み終えた。
今まで読んだ本の中で最も読み応えが有るものだった。
言語の働きを大きく指示表出性と自己表出性の2つの面で捉え、それを横軸と縦軸にした図を用いながら様々な言語表現について論を進めている。
その独創性と見方の鋭さには畏敬の念さえ感じてしまう。
無理を承知でこの方法を自分の仕事である建築に当て嵌めてみると、指示表出性は施設としての機能、自己表出性は作品としての表現、と考えても良いように思う。
そうすると自分の事務所で手掛けた建物は大体その2つの面を持つ事になるのだけれど、その関係やバランスについては今まで充分に考えられていなかった事に気付く。
自分の仕事についてはもっと意識的にならないと行けないし、その為には何らかの考え方の基準のようなものがあるべきなのだ、と改めて思う。
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2018年09月10日

若くない読者が読んだ「第三のチンパンジー」 : Not young people read "The Third Chimpanzee"

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今年1月から3月にかけてNHK教育テレビで放送された<新>ダイアモンド博士の"ヒトの秘密"は、自分が一時留学して授業を受けているような気分になれて楽しかった。
またその復習のつもりで読んだジャレド・ダイアモンド著、レベッカ・ステフォフ編集、秋山勝訳の"若い読者のための第三のチンパンジー"も、期待通りに面白かった。
第三のチンパンジーとは人間の事で、チンパンジーと人間の遺伝子が98.4%同じである事から始めて、人間とは何かと言う事が幅広く探求されている。
博士の見方は謙虚でありつつ冷徹で、例えば環境問題では、人間の社会は産業化以前の何千年に渡って多くの生物種を絶滅に追いやり、環境を破壊し、自らの存在を危うくしていて、昔は良かった式の見方は当て嵌まらないと言う。
物事の良い面と悪い面を冷静に見た上でこれからの事を考える、と言う態度が貫かれていて、多くの発見と示唆を与えてくれる。
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2018年06月01日

土地被覆タイプ地球儀 : The land cover type globe

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子供の頃、ずっと地球儀を欲しいと思っていたのに、手に入れられなかった。
今になって買おうと思って調べてみると、色々な種類の物が有る。
まず考えたのは衛星写真を使った物だったけれど、不完全な模型のようで気に入らない。
やはり地図のように様々な情報を教えてくれる物が良いと考えて、「土地被覆タイプ」の地球儀を選んだ。
常緑樹林は濃緑色、潅木は灰緑色、草地は黄緑色、裸地は青灰色、と言うように土地表面の状況が色で示され、緑の分布を知る事が出来る。
これを上下左右に回しながら見ていると、色々と気付いたり考えたりして、飽きる事が無い。
欲を言えば、分類の数を減らし色の差を大きくするなどして、区別をし易くして欲しかった。
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2018年05月07日

連休中に見た「ゆきゆきて、神軍」 : "The Emperor's Naked Army Marches On" I saw in the holidays

原一男の軌跡

連休中に横浜シネマリンで「ゆきゆきて、神軍」と言う映画を見た。
天皇の戦争責任を問う過激なアナーキスト、奥崎謙三氏の活動を記録した1987年の作品。
見始めて少しして気分が悪くなり、最後まで見られるか心配になった。
終戦後30数年経っても過去に軍隊内で起こった事件を追及し続け、元兵士を訪ねる奥崎氏の様子が映されていたのだけれど、激高する彼の様子がやはり元兵士だった僕の父に結び付いたのだ。
しかし父は、彼のように過去に執着してはいなかった。
元兵士の99.9%は父のようであったのだろうけれど、残りの0.1%に彼のような人が居てもおかしくない。
上映後、監督の原一男さんがスクリーンの前でこの映画と奥崎氏について語ってくれた。
その姿勢は当然ながら彼のように過激ではなく、漸く現実に戻れたように感じた。
画像のちらしで右上に有る写真が奥崎氏で、2005年に85歳で亡くなったそうだ。

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2018年03月20日

東日本大震災から7年、どかさんが書いた物語 : Seven years passed from the East Japan Great Earthquake, the story Doka-san wrote

牛52号

2011年の東日本大震災から7年が経った。
自分は直接的な貢献を何も出来ていないけれど、友人や知人には被災者の為に活動を続ける人達が居る。
その一人「どか」さんこと石井英行さんが書いた物語「見つめなければいけないこと」を児童文学の同人誌で読んだ。
福島に住む子供達の日常生活や北海道でのキャンプの様子が、周囲の大人達を含めて書かれていて、何かを訴えると言うよりも、気付いたり考えたりするきっかけになるようなものになっている。
分厚い一冊の中の一遍では中々目に付かないだろうけれど、多くの人に読まれて欲しい。
その同人誌「牛」52号は下記のウェブサイトに情報が載っている。
http://www016.upp.so-net.ne.jp/ushinokai/index.html
追記:表紙の絵は「ちむ」こと吉田千夏さんの作


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