
去年読んだ高橋源一郎さんの著作「一億三千万人のための「論語」教室」。
論語全499編について平易な現代語訳と簡潔な解説が記されている。
かの孔子は老子でも先生でもなくセンセイになっていて、とにかく親しみ易い。
親しみ易過ぎて不自然、と言う批判は有るだろうけれど、この本に出合わなければ僕は論語の世界をほとんど知らないまま過ごしていただろう。
本の途中に記された「折り返し地点で」と言う高橋さんの文章に面白い視点が有って、論語には権力を縛る、立憲主義とも言える考え方が見られると言う。
そう考えると、孔子が実在したかどうか解らない過去の堯や舜を理想の王とみなしていた事は、後の時代の王が好き勝手な事をしないような歯止めとしてだった、と解釈出来そうだ。