
今年1月から3月にかけてNHK教育テレビで放送された<新>ダイアモンド博士の"ヒトの秘密"は、自分が一時留学して授業を受けているような気分になれて楽しかった。
またその復習のつもりで読んだジャレド・ダイアモンド著、レベッカ・ステフォフ編集、秋山勝訳の"若い読者のための第三のチンパンジー"も、期待通りに面白かった。
第三のチンパンジーとは人間の事で、チンパンジーと人間の遺伝子が98.4%同じである事から始めて、人間とは何かと言う事が幅広く探求されている。
博士の見方は謙虚でありつつ冷徹で、例えば環境問題では、人間の社会は産業化以前の何千年に渡って多くの生物種を絶滅に追いやり、環境を破壊し、自らの存在を危うくしていて、昔は良かった式の見方は当て嵌まらないと言う。
物事の良い面と悪い面を冷静に見た上でこれからの事を考える、と言う態度が貫かれていて、多くの発見と示唆を与えてくれる。