
横浜には歴史的な建物が幾つも残っているけれど、どれもヨーロッパに有るような古いものではないし、東京に有るような大きいものでもない。
でもそうした建物だからこそ親しみ易く愛すべきものに感じられる、とも言える。
昨年出版された「横浜の名建築をめぐる旅」と言う本を読むと、改めてそうした事に気付く。
この本では関内や山手を中心に32の建物が取り上げられ、詳し過ぎずに的を得た菅野裕子さんの文章と、建築写真らしくなくて良い本多康司さんの写真で紹介されている。
例えば横浜貿易会館、海洋会横浜会館、昭和ビルと言う海岸通りに並ぶ3棟の建物は、同じ頃に建てられ同じ位の規模で兄弟のようだけれど、それぞれに個性が有り、魅力的な街並みを形作っている、と言う事が良く解る。
この本を片手に横浜の街を歩く事をお勧めしたい。