
先日、カールマルクス(Karl Marx)が書いた「資本論」(Das Kapital)を漸く読み終えた。
月に1度の日曜講座に参加して1年で第1部、1年休んだ後のもう1年で第2部と第3部を学びながら、充分とは言えないまでも、どうにか念願をかなえる事が出来た。
マルクスが生前に完成したのは第1部だけで、第2部と第3部は盟友のエンゲルスが草稿を元に完成させたのだけれど、続けて読んでみると、第2部と第3部が有ってこそ、資本論は今でも読むに値するものになっているように思う。
中でも感心したのは、第3部第5編の利子生み資本の所だ。
第1部で説明されているように、資本主義的な生産様式が確立すると、資本家は労働者が生み出した剰余価値を搾取し、それを資本として再投資する。
しかし資本主義社会が発展するにつれて、剰余価値は利潤と見做されるようになり、それが利子と企業者利得に分割され、資本家も利子生み資本家と産業資本家に分裂する。
そして利子生み資本家と産業資本家はその分け前をめぐって争うようになり、階級的対立は、労働者と資本家の間から、働く労働者ならびに産業資本家と、所有するだけの利子生み資本家の間のものとなる。
そうした解明は、現代に繋がる問題を鋭く捉えていると思う。