2021年12月21日

「資本論」について : About“Das Kapital / The Capital”

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先日、カールマルクス(Karl Marx)が書いた「資本論」(Das Kapital)を漸く読み終えた。
月に1度の日曜講座に参加して1年で第1部、1年休んだ後のもう1年で第2部と第3部を学びながら、充分とは言えないまでも、どうにか念願をかなえる事が出来た。
マルクスが生前に完成したのは第1部だけで、第2部と第3部は盟友のエンゲルスが草稿を元に完成させたのだけれど、続けて読んでみると、第2部と第3部が有ってこそ、資本論は今でも読むに値するものになっているように思う。
中でも感心したのは、第3部第5編の利子生み資本の所だ。
第1部で説明されているように、資本主義的な生産様式が確立すると、資本家は労働者が生み出した剰余価値を搾取し、それを資本として再投資する。
しかし資本主義社会が発展するにつれて、剰余価値は利潤と見做されるようになり、それが利子と企業者利得に分割され、資本家も利子生み資本家と産業資本家に分裂する。
そして利子生み資本家と産業資本家はその分け前をめぐって争うようになり、階級的対立は、労働者と資本家の間から、働く労働者ならびに産業資本家と、所有するだけの利子生み資本家の間のものとなる。
そうした解明は、現代に繋がる問題を鋭く捉えていると思う。

posted by masaaki at 17:56| Comment(0) | 建築 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月08日

落日荘を訪ねて : Visit to Rakujitsuso

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11月の初め、友人に誘って貰って茨城県に有る岩崎駿介さんのご自宅、落日荘を訪ねた。
僕にとって岩崎さんと言えば、まず横浜市での都市デザインの仕事が思い浮かぶ。
でもその12年間は岩崎さんにとって過去の一時期でしかなく、その後の22年間は国連やNGOで国際協力に取り組まれ、さらにその後の20年間は夫人と共にセルフビルド、自力での建設で落日荘と周りの建物を建てる事に取り組まれた。
建物は大きくまたとても良く出来ていて、言われなければセルフビルドとは解らない位だったが、ご本人は、金が掛からないように自分で図面を描き自分達で建てた、必要な時は手伝って貰った、と言うようにごく自然な姿勢だった。
岩崎さんの現在の関心の中心は建築でもデザインでもなく社会問題、それも地球的な規模で人類の未来を考える事で、落日荘から見ると真西に山の頂が有り、そこに沈む太陽は世界との繋がりを感じさせると言う。
今までの84年間の人生を、ずっと自分がやりたい事をやって過ごして来た、と話されていたのが印象的だった。
posted by masaaki at 12:38| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする