
斎藤幸平さんが書いた「人新世の「資本論」(ひとしんせいのしほんろん)」を読んでみた。
語り口は穏やかで解り易いけれど、内容はかなり過激だ。
認識として、資本主義は人類の幸福とか地球環境の保全とかとは関係無く利潤の最大化を目指す、だから変えなければならない、と言う所までは素直に賛成出来る。
でも方法論として、地球温暖化問題を解決する為には資本主義の「修正」では不十分、だからケインズもスティグリッツも駄目、北欧の社会民主主義も駄目、投票で政治を変えるのは無理だから市民運動をするべき、となると、付いて行けないと感じてしまう。
資本主義に問題は多いとしても封建制や奴隷制よりましなのでは?、議会制民主主義も独裁や王政よりましなのでは?、と聞いてみたくなる。
それでも頭ごなしに否定出来ないのは、斎藤さんが若いからで、あなた達の考え方、やり方ではもう駄目なのですよ、と言われているように思えた。