
太平洋戦争で日本軍が行った、搭乗員の死を前提とした特別攻撃、特攻。
日本人なら誰でも、また日本に興味を持つ外国人も大抵知っている事だろう。
でもその実態は必ずしも正しく伝えられてはいなかった。
鴻上尚史さんが書いた「不死身の特攻兵」は、陸軍の特攻隊パイロットでありながら9回出撃して9回生きて帰って来た佐々木友次さんについて書きながら、特攻がどう言うものだったのか、当事の人達はそれをどう考えていのたかを記している。
多くの軍人達は特攻を、人道的に考える以前に、戦略として無謀で効果が低いものであると解っていながら、やめられなかった。
しかし佐々木さんのように違った考えを持ち、実際にそれを貫いた人も居たし、それを可能にした上官や同僚もまた存在した。
その事には、今を生きる僕達が希望を感じて良いと思う。
この本が出たのは2017年で、戦後72年が過ぎていたけれど、貴重な声が失われて行くと同時に冷静に考えられる時期が来たと言う事でもある、と鴻上さんは書いている。