
コロナウィルスの感染が問題になってから家に居る事が多く、本を読む時間は増えている。
先日、半年前にNHKで放送された「100分de名著、善の研究」のテキストを読んでみた。
「善の研究」は西田幾多郎の有名な著作で、講師は若松英輔氏。
まず面白いと思ったのはこの本を読む順序で、初めに巻末の「知と愛」を読み、そこから第4編、第3編、第2編、第1編と逆に読み進める。
知らなければ絶対にしない読み方だけれど、著者自身もこの本の序に、第1編は初めて読む人はこれを略する方が良い、と書いているし、各編の内容はそれぞれ独立していて後の方ほど平易になっているから、理解し易いと言う訳だ。
そもそも書名の「善の研究」は編集者の提案で付けられたもので、元々著者が考えていた書名は「純粋経験と実在」であり、第1編の「実在」と第2編の「純粋経験」を考える事が核となる問題だと言う。
僕が以前にこの本を読んだ時には、随分と不十分な読み方をしてしまったようだ。