2014年11月14日

田中岑展 The exhibition of Tanaka Takashi

田中岑展

11月3日で終わる展覧会が幾つか有った中で、僕は川崎市市民ミュージアムで開かれていた田中岑(たなかたかし)展を見に行った。
透明感と深みが有り、軽さも感じられる色彩が何とも魅力的で、特に橙色や水色、白色系統の色が美しく、何時まで見ていても飽きる事が無かった。
また不思議な事に、どことなく優しさと懐かしさも感じられた。
それは僕が好きな他の画家、パウル・クレーやニコラ・ド・スタールが描いた絵からは感じられないような良さだ。
田中さんは僕の親と同世代になるので、その人達が経験した美しさを蒸留するように取り出して絵に定着した、と言う事かも知れない。
posted by masaaki at 20:53| Comment(0) | 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月12日

東京電機大学を訪ねて Visit to Tokyo Denki University

東京電機大学東京千住キャンパス

前回書いた友人と一緒に、東京電機大学の東京千住キャンパスを訪れた。
僕が以前勤めていた槇総合計画事務所が設計し、2012年に開設されたキャンパスで、事務所の先輩や後輩に当たる人の研究室も有る。
直接の関わりは無いけれど、見て歩くとやはり色々と気になって、ここはこう考えて設計したのかなとか、何でこうしなかったのかな、などど考えてしまう。
そして僕自身の物差しからすれば、もっとうまく出来そうな所も部分的には有る。
しかし全体を見ると、仮に人手と時間を充分に掛けたとしても、僕の事務所であのような建物群をまとめあげる事は出来そうにない。
当たり前だと笑われるかも知れないけれど、それではまずいはずなのだ。

posted by masaaki at 19:00| Comment(0) | 建築 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月08日

北千住にて In Kitasenjyu

北千住にて

先月末、ドイツから友人が来て、2日程行動を共にした。
東京電気大学が有る北千住へ行った時、彼は整備された駅前の様子には関心が無いようだったけれど、裏通りではあちらこちら写真を撮りながら見て回っていて楽しそうだった。
その感覚は僕と余り変わらない。
東京や横浜周辺で駅前の再開発が完成すると、交通や防災の問題は改善したけれど街はつまらなくなった、と言う事が多い。
一方で彼は、幹線道路沿いや工場の隣に多くのマンションが建ち並んでいるのを見て、こんな所に住む人達の気持ちが解らない、と言っていた。
その感覚も僕と近いのだけれど、普段そうした風景を見慣れているせいか、少し虚を突かれる思いがした。
posted by masaaki at 17:05| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月03日

軽井沢の2つの建物 The two buildings in Karuizawa

旧飯箸邸

先月のある日、友人達と軽井沢へ行った。
目当ては坂倉準三さんが設計した旧飯箸邸で、1941年に東京で建てられ、今は移築されてレストランになっている。
外形は切妻屋根で一見和風住宅のようだけれど、整った立面や立体的な内部空間には良質なモダニズムの美学が感じられる。
1942年に建てられた前川國男さんの自邸程有名ではないけれど、学ぶべき魅力が多く有ると思った。
またそれに先立って、西沢立衛さんが設計した軽井沢千住博美術館も訪れた。
こちらは2011年に出来た建物で、傾斜した床と婉曲した屋根を持ち、自然光で作品を見ると言う斬新な美術館だ。
続けて見たのでどうしても比較をしてしまうのだけれど、全体的な建物の質、居心地共に旧飯箸邸の方が良かった、と言うのが僕と友人達の一致した意見だった。
だからと言って、僕自身がこれから旧飯箸邸のような建物を設計したい、とは単純に思えない。
こうした迷いは、今多くの建築家が感じている事ではないかと思う。
posted by masaaki at 17:56| Comment(0) | 建築 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする