
11月3日で終わる展覧会が幾つか有った中で、僕は川崎市市民ミュージアムで開かれていた田中岑(たなかたかし)展を見に行った。
透明感と深みが有り、軽さも感じられる色彩が何とも魅力的で、特に橙色や水色、白色系統の色が美しく、何時まで見ていても飽きる事が無かった。
また不思議な事に、どことなく優しさと懐かしさも感じられた。
それは僕が好きな他の画家、パウル・クレーやニコラ・ド・スタールが描いた絵からは感じられないような良さだ。
田中さんは僕の親と同世代になるので、その人達が経験した美しさを蒸留するように取り出して絵に定着した、と言う事かも知れない。