2014年09月22日

菅田の墓地と納屋 A cemetery and a barn in Sugeta

菅田の納屋

何度も新聞に折り込まれて届く墓地の広告を見て、一度行ってみたいと思っていた。
墓地そのものにはそれ程興味が無かったけれど、案内図で示されたその場所、横浜市神奈川区菅田町の西端辺りは、自分の家から遠くないのに行った事が無い、未知の場所だったからだ。
今年の夏のある日、車で出掛ける時に、ふと思い付いてそこを訪れる事にした。
周囲の幹線道路までは迷わなかったけれど、そこから入って行く道は狭くて枝分かれや坂が多く、何度か間違えた末に目的地へ辿り着いた時には、ちょっとした達成感が有った。
墓地の前には宣伝の赤い幟が並び、中は奇麗に手入れされていて人影が無く、周りには森や田畑が広がる。
近くの道路脇には美しく、またどこか懐かしい一軒の納屋が建っている。
丘を越えた東側には集合住宅が並ぶ団地が有り、北側には戸建て住宅が並ぶ分譲地が有るのに、そうした街の気配は少しも感じられない。
墓地とその周囲の場所は、それぞれが接しながら関係を持たずに、別世界を作っているようだった。
そして、一体自分はどの世界に属しているだろうと考えてみて、どこにも属していそうにないけれど、それ等が集まった全体に属している事になるのかも知れない、と思った。

area045 建築家のコラム 2014年09月22日掲載
http://www.area045.com/mutter/271.html
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2014年09月10日

水随方円器 Water takes the shape of the vessel

水随方円器

画像として載せた書は「水は方円の器に随う(したがう)」と読む。
「水随方円器、人因善悪友」と言う対句の前半で、2005年に書き、1枚は設計した友人宅の竣工祝いとして贈り、1枚は自分の事務所の壁に掛けてある。
木簡に書かれた古い書を参考にして、楷書や隷書よりも親しみ易く自由な雰囲気を持つように、また同時に力強さが感じられるようにしたいと思って書いた。
もし楷書で書いていたら、今頃恥ずかしくて見られないのではないかと思うけれど、これは今の所大丈夫だ。
目も腕も進歩していないせいかも知れないが、自分の事務所に飾る位は良いだろう。
posted by masaaki at 18:49| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月01日

怪しい彼女(수상한그녀) Curious her

怪しい彼女

先週末、「怪しい彼女」と言う韓国映画を見た。
映画館でこれ程笑い、泣いたのは久し振り。
70歳のお婆さんマルスンが突然20歳の娘ドゥリになってしまうと言う突飛な設定なのだけれど、始めから終わりまで飽きさせない。
考えてみれば、現実に生きる若い人にとっても、親が辿った時間は付いて回る訳だし、やがて老いて行く運命が有るのだから、ドゥリの体験は他人事ではないはずだ。
僕の年齢がマルスンとドゥリの中間位なので、そのように考えてしまうのかも知れないけれど。
監督はファン・ドンヒョク、ドゥリ役はシム・ウンギョン、マルスン役はナ・ムニ。
シム・ウンギョンは溌剌として魅力的で、音楽も良い。

映画「怪しい彼女」公式サイト
http://ayakano-movie.com/
posted by masaaki at 19:04| Comment(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする