2014年05月30日

色の庭、尾形純展 The garden of colours, the exhibition of Ogata Jun

禅之庭、尾形純展

5月9日に書いた金昌永展を見たのと同じ場所で、尾形純展を見た。
誰もがまず、その色彩に惹かれるだろう。
キャンバスにアクリル絵の具で描かれたそれ等の色は、鮮やかであるのに単純ではなく、平板なようで豊かに感じられる。
そして慎重に配置されたであろう造形が、色を引き立て、色に引き立てられる。
作家によれば、展覧会の「禅の庭」と言うテーマは、時間や季節の変化で同じ色彩や景色が変化して映る事から来ているそうだ。
ご自身が庭、特に日本庭園を訪ねる事を好まれるようだけれど、僕が今まで漠然と庭を眺めていたのとは全く違う経験をされていたのだと思うと、新鮮な驚きを感じた。
展覧会は6月1日まで、FEI ART MUSEUM YOKOHAMAにて。
posted by masaaki at 20:25| Comment(0) | 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月22日

義理の伯母の事 My aunt

義理の伯母が94歳で亡くなった。
普段親しくしてはいなかったけれど、心の中で頼りにしていたので、とても寂しい気持ちがする。
亡くなった母が何か尋ねると、いつもきちんと答えてくれて、感心したものだった。
「小松菜を蒔こうと思うんだけど、もう晩いかしら。」
「ちょっと晩いわね、でもやってみなったら。」
などと言うように。
僕だけでなく父や母の誕生日まで覚えてくれていて驚いた事も有ったけれど、それだけ暦や季節の事柄に敏感だったのだろうかと思う。
入院先の病院では、自分の葬式をどうやって誰を呼んだら良いか、家族に話していたそうだ。
3年前の9月2日にここに載せた梅干しの話しは、その伯母とのやり取りを書いたものだった。
http://msak.seesaa.net/archives/20110902-1.html
posted by masaaki at 19:50| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月16日

湘南港ヨットハウス見学 Visit to the Yacht house in Shonan harbor

湘南港ヨットハウス外観

先週末、友人の建築家西田司さんとその父上西田勝彦さんの事務所が設計した湘南港ヨットハウスを見学させて貰った。
江ノ島の北側に建つ、谷口吉郎さんが設計したヨットハウスの後継となる建物だ。
最大の特徴は鉄筋コンクリートで出来た3次曲面の屋根で、多くの人達の熱意と労力が必要だったはずだけれど、完成した実物は、それだけの価値が有るものになっていると思った。
その下の2階は大らかで開放的な場所になっていて、用が無くても暫く佇んでいたい気持ちにさせられた。
そう言う風に思わせてくれる場所を持つ建物は多くない。
敢えて一言を加えるなら、1階にももっとそうした場所が有れば良かったように思う。
posted by masaaki at 22:35| Comment(2) | 建築 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月12日

ミトン mitten

ミトンポストカード

連休中に見たもう一つの映画「ミトン」。
1967年にソ連で作られた人形アニメーションで、少女アーニャが子犬のミトンに出会う、小さな物語。
台詞や字幕は一切無く、静かでチャーミングな音楽だけが流れる。
人形のどれもが実に良く出来ていて、穏やかな表情はほとんど変わらないのだけれど、繊細な心の動きがはっきりと伝わる。
子供でも大人でも、またどこの国の人でも、素直にその世界に入って行って、それぞれの気持ちで受け止める事が出来ると思う。
チャップリンの短編映画のように、何度でも見たくなる傑作だ。

追記:《『ミトン』+『こねこのミーシャ』》|予告編・動画@ぴあ映画生活http://cinema.pia.co.jp/trailer/163603/
posted by masaaki at 20:27| Comment(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月09日

金昌永展 The exhibition of Kim Tschang Young

金昌永展

連休の合間、FEI ART MUSEUM YOKOHAMA(FEIアートミュージアムヨコハマ)で金昌永(キムチャンヨン)展を見た。
砂と油絵の具を使ってキャンバスの上に描かれた作品の数々。
神奈川新聞の紹介記事から土着的な強さを想像していたのだけれど、会場の雰囲気は明るく軽やかだった。
作品を近くで見ると、砂の一粒一粒がとても綺麗で、絵と言うより工芸品のような魅力が有る。
ふと自分が小学生の頃、行商のおじさんが砂と糊で出来た絵の具を、それで絵を描きながら売っていた事を思い出した。
美しいと感じるだけでなく、色々な事を考えさせてくれる展覧会だった。
posted by masaaki at 18:26| Comment(0) | 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月05日

そこのみにて光輝く It shines only there

そこのみにて光輝く

連休中に見た映画「そこのみにて光輝く」。
舞台は夏の函館。
主人公の達夫(綾野剛)はパチンコ屋で託児(菅田将睴)と知り合い、訪ねた海辺のバラックでその姉、千夏(池脇千鶴)と出会う。
僕にとっては、季節と街の組み合わせからして実感に乏しく、話しの展開も遠い異国の物語のようなのだけれど、3人の演技が素晴らしく、段々とその世界に引き込まれた。
そして見終わった時には、まさに夏の函館でしか有り得なかった出来事のように記憶に刻まれる事になった。
呉美保監督は1977年生まれで、「ゆれる」の西川美和監督と同世代。
これからの作品にも期待したい。
posted by masaaki at 15:44| Comment(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする