2021年05月07日

篠田桃紅展、書の外へ出た人 : The Exhibition of Shinoda Toukou, The person went out from Sho

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横浜のそごう美術館で篠田桃紅展を見て来た。
今年3月に107歳で亡くなった彼女に僕が初めて注目したのは、東京文化会館のロゴだった。
彼女は初め書を学び、そこから離れて美術作品を作り続けたけれど、書を書かなくなった訳ではなかった。
日本の書壇、書家達の世界から離れたかったのかも知れない。
やむにやまれずそうしたにしても、亡くなるまでそれを続けたのは、大変な事だったと思う。
とても比較にはならないけれど、自分の事を振り返ると、子供の頃から細々と書を学んでいたのに、一昨年病気になった時にやめてしまった。
元々書の世界を離れて何かする気概など無かったけれど、子供の頃には、書ではなく絵を描いていたいと思った事が良く有った。
まだ人生に残りの時間は有りそうだから、また何か始めても良い訳だ。
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2021年05月01日

人新世の「資本論」 : “The Capital”in Anthropocene

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斎藤幸平さんが書いた「人新世の「資本論」(ひとしんせいのしほんろん)」を読んでみた。
語り口は穏やかで解り易いけれど、内容はかなり過激だ。
認識として、資本主義は人類の幸福とか地球環境の保全とかとは関係無く利潤の最大化を目指す、だから変えなければならない、と言う所までは素直に賛成出来る。
でも方法論として、地球温暖化問題を解決する為には資本主義の「修正」では不十分、だからケインズもスティグリッツも駄目、北欧の社会民主主義も駄目、投票で政治を変えるのは無理だから市民運動をするべき、となると、付いて行けないと感じてしまう。
資本主義に問題は多いとしても封建制や奴隷制よりましなのでは?、議会制民主主義も独裁や王政よりましなのでは?、と聞いてみたくなる。
それでも頭ごなしに否定出来ないのは、斎藤さんが若いからで、あなた達の考え方、やり方ではもう駄目なのですよ、と言われているように思えた。
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2021年04月06日

畑始め : Start farming

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家族任せではあるけれど、畑を始める事にした。
前からずっと、やりたいとは思っていた。自給自足とまでは行かなくても自分で食べる物を自分で作れれば嬉しいし、亡くなった母親は農家の生まれでずっと畑をやっていたから。
今までやらなかったのは不精だった事に加えて、仕事である建築の設計を最優先にして少しでも多くの時間をその事に使いたかったから。またそれ以外にも建物や展覧会を見に行ったり本を読んだり書を書いたり市民活動に参加したりと、やる事が幾らでも有ったから。
だけれど一昨年病気で入院し、世の中で新型コロナウィルスが問題になって、生活も考え方も変わらざるを得なくなった。やみくもに頑張るのではなく、自分と周りを良く見て本当にやりたいと思う事をやって行こうと考えるようになった。
家族には怒られそうだけれど、畑は失敗しても構わないと思っている。また挑戦しても良いし、土地を耕し種を蒔いただけでも意味が有ったと思うから。
area045 建築家のコラム 2021年04月05日掲載
https://www.area045.com/posts/16395198
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2021年03月12日

東日本大震災から10年 : Ten years passed from the East Japan Great Earthquake

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10年前の2011年、3月11日。
事務所で仕事をしていて大きな揺れに襲われた。
近くの区役所に避難し、戻ってみると本棚が幾つも倒れパソコンのモニタが壊れていた。
各地で大きな被害が出た事をニュースで知ったけれど、福島の原子力発電所が危機的な状況に陥るとは思ってもみなかった。
その後、自分は被災地の復旧や復興に何も貢献していない。
しかし考え方や感じ方は確かに変わったと思う。
たとえ小さな事、個人的な事であっても、生きている限り、意味が有ると思える事をし続けたいと思う。
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2021年03月02日

会計の世界史 : World History of Accounting & Finance

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会計について少し知りたいと思って、田中靖浩著「会計の世界史」と言う本を読んでみた。
本文はまず、レオナルドダヴィンチの出生をめぐるエピソードから始まる。
会計の基本と言える簿記とそれを必要とする銀行が、15世紀のイタリアで生まれたからだ。
そこから物語は、舞台をオランダ、イギリス、アメリカへと移しながら現代まで進む。
今知られている会計の考え方には、簿記のように古い歴史を持つものも有れば、コーポレートファイナンスのように最近出て来たものも有り、それぞれが時代と社会に応じて生み出されて来た。
だからそれ等を学ぶ時には、単なる知識や手法としてでなく、何を問題にしているのかを考えなければならない。
終わり近くでは、マイケルジャクソンがビートルズの曲の権利を買った話しから、原価と時価、会計とファイナンスの違いなどが説明されて、最後まで飽きさせない。
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2021年02月16日

チックコリアを悼む : Mourning for Chick Corea

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2月9日にチックコリア(Chick Corea)が亡くなった。
僕がジャズやその周辺の音楽を聴き始めたのは1980年代の終わりで、ビルエバンスは既に亡く、マイルスデイビスが亡くなる少し前だったから、ジャズを代表するスターと言えばキースジャレットとチックコリアだったと思う。
僕の中で結局、その事はずっと変わらなかった。
残念ながら彼の演奏を直に聞く事は無かったけれど、以前富山に住んでいた時、市民プラザの1階に有った自動ピアノが良く彼の曲を奏でていた事を思い出す。
それまで自動ピアノと言うと何かの余興のように思っていたけれど、短いフレーズでもすぐそれと解るチックの曲を聴いて、これもまた良いものだと思ったものだった。
改めて、彼の死を悼む。
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2021年02月12日

冨安由真展、漂泊する幻影 : The Exhibition of Tomiyasu Yuma, Shadows of Wandering

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最近すっかり展覧会へ行く事が少なくなってしまったけれど、先日、これは見ておきたいと思って神奈川芸術劇場(KAAT)へ冨安由真展を見に行った。
会場は普段、舞台に立つような人達が使うスタジオで、廃墟となったホテルを題材に、見棄てられた家具や動物達の剝製が並び、照明がそれ等を順に照らして行く。
またそれと重なるように、現地を写した映像が流れる。
次に進む部屋には、同じような題材を描いた絵画が掛けられ、そこでも照明がそれ等を順に照らして行く。
文章で書くとおどろおどろしい感じがするけれど、実際には奇妙にバランスが取れていて、乾いた心地良さのようなものを感じた。
そのバランスは作者によって計算されたものなのだろうけれど、ある程度は偶然によるものかも知れない。
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2021年02月04日

NHKに出た「ずっと真夜中でいいのに」 : “Zuttomayonakadeiinoni” on NHK

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1月30日に放送されたNHKのSONGS(ソングズ)に「ずっと真夜中でいいのに」が出演していた。
このグループは所謂覆面バンドで、ネット上で見たミュージックビデオも映像は皆アニメーションだったけれど、この番組で少し様子が解った。
メンバーは顔を隠したまま結構熱く、演奏していて、キーボードやドラムの他に、ブラウン管テレビやオープンリールレコーダー、扇風機などが使われていた。
またヴォーカルのACAね(あかね)さんは大泉洋さんのインタビューに答えながら、やりたい事や考えている事を結構たくさん、喋っていた。
彼らの音楽は、今の時代、今の日本でこそ生まれたものなのかも知れない。
少し大袈裟だけれど、かつてアメリカでジャズが生まれたように。
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2021年01月29日

2021年新年のご挨拶 : The new year greetings of 2021

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あけましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します。
2021年正月

昨年末に忙しくて年賀状を準備する事が出来ず、今年になって葉書を頂いたかたへの返信として送る事になってしまった。
家族で撮った写真を使うのは気恥ずかったけれど、お世話になったかたや気に掛けて下さっているかたへ近況をお知らせした方が良いと思って載せる事にした。
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2020年12月29日

槇文彦展 : The exhibition of Maki Fumihiko

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12月27日まで横浜のBankART(バンカート)で槇文彦展が開催されていた。
僕は以前槇さんが率いる槇総合計画事務所に勤めていたので、半ば身内の気持ちで見る事になった。
槇事務所は今年完成した新市庁舎だけでなく、横浜で数多くの仕事をしていて、書くべき事は色々有るけれど、会場に入ってすぐ代官山ヒルサイドテラスの展示が有るのを見て、やはり代表する仕事はこれなのかな、とまず思った。
ヒルサイドテラスの1期が完成したのは僕がまだ子供だった1969年で、日本橋に有った槇事務所の移転先となったウェストが完成したのは1998年。
僕が仕事として関わる事はほぼ無かったけれど、辞める前に暫くこの建築と街を体験した事は、良い財産になった。
人目を引く派手なデザインは無いし、特殊な材料や工芸品が使われている訳でもなく、建築家の個性は前面に出ていない。
それでいて、施主から全幅の信頼を得て、内外から広く注目を集め、建築文化に確かな貢献をしている。
こうした仕事が如何に貴重で成し難いものか、自分の事務所を持ってからやっと解ったように思う。
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2020年11月05日

ベイサイドブルー : Bayside Blue

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11月3日、横浜にLRTを走らせる会の人達と横浜市営の連接バス、ベイサイドブルーに乗り、それについて話し合った。
経緯としては、2013年の横浜市長選で現職の林文子さんが公約の一部に「LRT導入の検討」を掲げて当選し、「都心臨海部における新たな交通システムの導入」についての検討が始まり、その結果が「都心臨海部でLRTや連接バスなどの新たな交通の導入を推進すると言う方針の元に、短期的には高度化バスシステムを導入し、中長期的にLRT、高度化バス及び路線バスのベストミックスを図る」となり、その高度化バスが今年2020年の7月にベイサイドブルーとして実現した、と言う事になる。
高度化バスと言うと専用レーンや優先信号が整備されて通常のバスより早くて便利なものを考えるけれど、ベイサイドブルーにそうしたものは無く、2つの車両が繋がる連接バスである事がほぼ唯一の特徴となっている。
またデザインとして見ても、残念ながら意欲的とも完成度が高いとも言えないと思う。
今後これが発展する形でLRTが実現する事を期待したいけれど、道筋は見えていない。
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2020年10月30日

不死身の特攻兵 : Immortal special attack soldier

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太平洋戦争で日本軍が行った、搭乗員の死を前提とした特別攻撃、特攻。
日本人なら誰でも、また日本に興味を持つ外国人も大抵知っている事だろう。
でもその実態は必ずしも正しく伝えられてはいなかった。
鴻上尚史さんが書いた「不死身の特攻兵」は、陸軍の特攻隊パイロットでありながら9回出撃して9回生きて帰って来た佐々木友次さんについて書きながら、特攻がどう言うものだったのか、当事の人達はそれをどう考えていのたかを記している。
多くの軍人達は特攻を、人道的に考える以前に、戦略として無謀で効果が低いものであると解っていながら、やめられなかった。
しかし佐々木さんのように違った考えを持ち、実際にそれを貫いた人も居たし、それを可能にした上官や同僚もまた存在した。
その事には、今を生きる僕達が希望を感じて良いと思う。
この本が出たのは2017年で、戦後72年が過ぎていたけれど、貴重な声が失われて行くと同時に冷静に考えられる時期が来たと言う事でもある、と鴻上さんは書いている。
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2020年10月09日

新しい横浜市役所を利用して : Using the new city hall of Yokohama

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先日、今年春に移転した新しい横浜市役所を利用した。
建物は僕が以前勤めていた槇総合計画事務所がデザイン監修をしたもので、横浜の顔として誇れるものになったと思う。
でも利用者の立場からすると、良い事ばかりではないようだ。
その日は建築局に用事が有ったのだけれど、まず担当職員に電話をして時間を決め、受付でカードを受け取ってゲートを通り、訪問先の階に着いたら内線電話で職員を呼び出し、打ち合わせコーナーで用件を済ます、と言う手順になった。
職員が働く執務スペースには入れず、ガラス張りと言う訳でもないのでその様子は解らない。
今の時代の事務所としては当然なのかも知れないし、市民とのやり取りは別の部署が担うと言う事だろうけれど、以前と比べて職員との距離が随分大きくなってしまったように感じた。

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2020年09月28日

雑草と楽しむ庭づくり: Making a garden to enjoy with weeds

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新型コロナウィルスが問題になってから、庭の手入れに熱心な人が増えたようだ。
その1人の僕が前から悩ましいと思っている事に、雑草をどう扱うかと言う問題が有る。
草取りには手間と時間が掛かるけれど除草剤は使いたくないし、何もしなければ庭は荒れてしまう。
その悩み対して、曳地トシさん義治さんの著作「雑草と楽しむ庭づくり」は、共感出来る姿勢を教えてくれた。
彼らは雑草を、他の生き物や土と密接な関係を持ち、生態系を豊かにしてくれる仲間だと考える。
その上で、生えて来る雑草を全てそのままにするのではなく、上手に付き合い、共存しようとする。
本に書かれた多くの雑草の説明を読むと、記述は確かで温かく、自分が雑草を見る時にそれを思い出すと、一緒になって見てくれているように感じられる。
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2020年08月28日

イヌビワの実 : Fruit of the dog loquat

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庭の一角に生えていた木に実がなった。
小さな黒っぽい実で、食べられるけれど甘くも酸っぱくもなく美味しくない。
友人に聞いたら、イヌビワ(犬枇杷)と言う木だと教えてくれた。
ビワより美味しくないのでイヌビワと呼ぶらしい。
植物の名前に犬が付くと、劣っているとか本物ではないとか、良くない意味を表わす事が多いようだ。
犬にとっては不名誉な話しだけれど、今と昔では犬の立場が違うのだろう。
うちには他に、イヌツゲ(犬柘植)と言う木も何本か有る。
これも本物のツゲではないと言う意味だろうけれど、どちらも実や花を楽しむ木ではないし、葉はイヌツゲの方が軽い感じがして好ましい。
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2020年08月21日

ヨコハマトリエンナーレ2020 : Yokohama Triennale 2020

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先日、ヨコハマトリエンナーレ2020を見に行った。
ほとんどの作品は新型コロナウィルスが問題になる前に出来ていたはずだけれど、全体的に今の世の中を反映したかのように暗く、立ち止まって考えさせるようなものが多いと感じた。
考えさせると言う事が現代美術の必要条件だったとしても、見る側からすれば、作品は美しいと思わせるものであって欲しい。
そうした点で、横浜美術館に入ってまず目にしたニック・ケイブ(Nick CAVE)の「回転する森」はとても美しく、また興味深く感じられて、ずっと見ていたいと思わせるものだった。
他に印象的だったものを挙げると、パク・チャンキョン(PARK Chan-kyong)、アリュアーイ・プリダン(武 玉玲)、ジャン・シュウ・ジャン(張徐 展)の作品だろうか。
中でもパク・チャンキョンの「遅れてきた菩薩」は原子力発電の問題を取り上げていて、反転した白黒映像が鮮烈だった。
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2020年08月11日

マホロミ、時空建築幻視譚 : Mahoromi, Stories of buildings over the times and spaces

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友人の建築家が協力をした漫画、冬目景さん作の「マホロミ、時空建築幻視譚」を読んでみた。
主人公は建築を学ぶ大学生の土神東也(にわとうや)で、舞台は横浜。
モデルになっているのは、東也が通う大学が神奈川大学、アルバイト先の設計事務所が友人の事務所、その事務所が入る建物が馬車道の大津ビルなのだろう。
東也は有名な建築家の孫で、古い建物に触れると、それに関わる過去のイメージを見る事が有る。
そして解体中の洋館で出会った不思議な少女、真百合も同じ能力を持つのだった。
東也の学生生活に建物や街の歴史、それに祖父や真百合の物語が織り込まれるように加えられていて、中々面白い。
設計事務所の所長に近い歳の筈の僕が、東也のつもりになって夢中で読んでしまった。
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2020年07月31日

工房の風景 : Scene of the studio

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新型コロナウィルスが問題になって家に居る事が多くなり、家の中の物が色々と気になり出した。居間で使っている椅子もその一つで、座面のペーパーコードが大分傷んでいたので張り替えて貰う事にした。その作業をする工房が近くの町田市に有る事が解ったので、そこへ自分で持ち込んで送料を節約しようと考えた。普段見る事が出来ない作業場所を見てみたいと言う気持ちも有った。
実際に行ってみると、思ったより遠くて時間が掛かったけれど、作業をしてくれるSさんは気さくな人で、色々と話しを聞けて楽しかった。またその工房が独特な場所で、放棄された鉄筋コンクリートの構造物を借り、自分で屋根や床、設備を付け加えたのだと言う。元々の構造物が持つ迫力と、加えられた設えの実用的な清々しさが重なって、暫く見入ってしまう程の魅力が有った。
その工房は作品では勿論: ないし、土着的と言うのでもない。しかし確かな存在感と、そこに有る理由、意義を持っているように思われた。帰ってから自分の生活や仕事を振り返って、あまりにも小綺麗で薄っぺらい世界に慣れ切ってしまっているのではないか、と思ってしまった。
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2020年07月03日

プログレッシブキャピタリズム : PEOPLE, POWER, AND PROFITS

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コロナウィルスが問題になって一時家に居る時間が長くなり、読む本の量が増えた。
その中で一番共感したのは、ジョセフ・E・スティグリッツ(Joseph E.Stiglitz)の「プログレッシブキャピタリズム(PEOPLE, POWER, AND PROFITS)」。
原著は2019年に出版され、アメリカの経済と政治について書かれている。
経済的に成功しているように見える現在のアメリカでは、産業の独占化が進んで少数の富裕層に富が集められ、格差が拡大し、社会の歪みが深刻化している。
原因は40年程前に始まった新自由主義、市場原理主義の政策にあり、今やその行き過ぎた自由化や規制緩和を見直し、政府や公共的な仕組みの役割を大きくして、多くの人が中流階級の生活を送れるようにするべきだと言う。
振り返って考えると、その中流階級の生活とは、戦後の日本がアメリカを手本にして経済と政治を立て直す事で、手にしたはずのものではなかっただろうか。そして再びアメリカに倣う事で、それを手放してしまったのではないだろうか。
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2020年05月29日

ペーパーコードの張り替え : Replacement of the papercodes

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自宅で使っている椅子の座面が大分傷んでいたので、そのペーパーコードを張り替えて貰った。
ハンス J. ウェグナー(Hans J. Wegner)がデザインしたYチェアと呼ばれる椅子で、建築家にはお馴染みのものだ。
25年前に、座り心地が良く、見た目も良く、自分で設計した住宅に合っているものを色々と探して、結局選んだのがこの椅子だった。
その時にはこうして手を入れたものをまた使う事など想像もしなかったけれど、張り替えが終わってフレームも綺麗になった椅子に座ってみると、適度な緊張感が有り、買った時よりも体に馴染んでいる分、嬉しいような気がした。
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