
3月に熊本市営託麻団地を訪ねた。
僕が東工大の学生だった時、坂本一成先生の研究室で設計の一部分を担当したのだけれど、完成した1994年より後で見たのは初めてだった。
住戸が395戸有り、坂本研究室と長谷川逸子さん、松永安光さんの事務所が設計した住棟が混じり合って配置され、一つの団地になっている。
坂本研究室が設計した住棟は外観が素直な箱型で、2階以上の住戸が吹き抜けを囲んだコの字型の平面を持ち、1階でその吹き抜けを繋ぐように共用通路が貫く構成になっている。
その構成は建物とそこに住む人や街、社会との関わりを考えさせるものになっていて、今見ても意欲的だ。
市営団地と言う事で管理が充分にされているとは言えないけれど、そうした事では曇らない輝きが有ると思った。