2016年04月30日

アブアアとアブブブ Abuaa and Abububu

アブアアとアブブブ

子供が居ない僕だけれど、自分の為に時々絵本を買う。
単純に短い時間で読めるのも良いし、普段読んでいる字だけの本とは違った世界を体験出来るのが楽しい。
最近読んだ長新太さんの「アブアアとアブブブ」は傑作中の傑作で、大好きになった。
まず絵が良い。
少ない線と平板な色で描かれた絵はどれもチャーミングで、とても自由。
空は青色でなく、木は緑色でなく、それでいて不思議な統一感が有る。
話しの筋書きがまた秀逸。
それぞれのページに有る文の意味とその繋がりは良く解るのだけれど、全体で何を言おうとしているのかは全く解らないまま、終わってしまう。
その解らなさが何とも心地良い。
長さんが亡くなっていて続編を望めない事が残念だ。
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2016年04月21日

3月9日の熊本城 Kumamoto castle on March 9th

2016年3月9日熊本城天守閣

先月3月に熊本を訪れていた。
熊本市内から車で阿蘇へ行き、その後空港へ行った時に、今回の地震で崩落した阿蘇大橋を2度通ったはずだ。
その時自分が無事だったのは運が良かったからに過ぎないし、日本で暮らす限り地震に遭う事は避けられないのだと改めて思う。
画像として載せたのは、3月9日に撮った熊本城天守閣の外観。
1877年の西南戦争で焼失し1960年に復元された建物だったけれど、地震の被害を象徴的に現わすものになってしまった。
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2016年04月12日

やって来た桜の木 The cherry blossom tree came to there

やって来た桜の木

家の敷地の一角に桜の木が生えて来て、今年花が咲いた。
花と葉が一緒に出て来たので、大島桜か何かだろう。
まだ数年しか経っていない筈なのに、もう4、5mの高さになっている。
このまま大きくなってしまうと少し困るのだけれど、切ってしまうのは惜しいし可哀そうなのでそのままにしている。
一方で、近くの雑木林から来るらしい樫や榎木は適当に切ってしまうのだから、自分でも勝手なものだと思う。
また一方で、一昨年植木屋さんに移植してもらった別の桜は結局枯れてしまったらしく、花も葉も出て来ない。
自分の土地だと思っていても、草木は中々自由にならない。
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2016年04月06日

熊本市営託麻団地 The Kumamoto municipal housing in Takuma

熊本市営託麻団地

3月に熊本市営託麻団地を訪ねた。
僕が東工大の学生だった時、坂本一成先生の研究室で設計の一部分を担当したのだけれど、完成した1994年より後で見たのは初めてだった。
住戸が395戸有り、坂本研究室と長谷川逸子さん、松永安光さんの事務所が設計した住棟が混じり合って配置され、一つの団地になっている。
坂本研究室が設計した住棟は外観が素直な箱型で、2階以上の住戸が吹き抜けを囲んだコの字型の平面を持ち、1階でその吹き抜けを繋ぐように共用通路が貫く構成になっている。
その構成は建物とそこに住む人や街、社会との関わりを考えさせるものになっていて、今見ても意欲的だ。
市営団地と言う事で管理が充分にされているとは言えないけれど、そうした事では曇らない輝きが有ると思った。
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2016年04月01日

長崎の路面電車 Street cars in Nagasaki

長崎電気軌道

長崎市内での移動は路面電車と歩きでほとんど用が足りた。
路面電車は市電ではなく長崎電気軌道と言う私鉄で、初めて乗った時は一方通行の路線が有ったり乗り継ぎの駅が限られていたりして少し戸惑ったけれど、一度解ってしまえばもう迷う事は無かった。
運賃は120円均一で解り易いし、安いので停留所の一つ二つ分でも気軽に乗り降り出来る。
街を歩いていてどこに居るのか不安になった時も、電車を見掛ければ大体見当が付いて、少し歩けばそれに乗る事が出来る。
改めて、街に路面電車が有るのは良いものだと思った。
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2016年03月28日

長崎再訪 Revisiting to Nagasaki

風頭公園付近から見た長崎市街

3月の初め、長崎を訪れた。
港、坂道、路面電車、外国との交流、原爆の跡。
色々な表情を持ち、周りを山と海に囲まれて、一つの世界が形作られている街。
20数年前、大学生の時にも2度ここを訪ねた。
それ等の記憶は断片的なものになってしまったけれど、どちらの時も知人に案内をして貰って、大切な思い出になっている。
今回は自分で行く所を調べ、決めたので、街の全体像をよりはっきりと掴めたように思えた。
そして3度の経験を経て、自分の中にこの街の姿が定着したように感じた。
普段余り意識をしないけれど、他の街との関係もこうして深まって行くのだろう。
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2016年03月17日

川から見た横浜の街と橋 The view of Yokohama city and bridges from the river

大岡川中村川分岐点

先月2月27日、建築家協会の催しに参加して、川から横浜の街と橋を見る機会が有った。
長者橋近くの日の出桟橋からボートに乗って大岡川を上り、吉野橋付近で中村川に入る。
そのまま下って堀川から山下埠頭付近の横浜港へ入り、大桟橋と新港埠頭の間を通って汽車道の脇を過ぎ、再び大岡川を上って日の出桟橋に戻る。
約2時間の短い船旅だったけれど、とても貴重な体験だった。
僕にとって大岡川と中村川、堀川に囲まれた横浜の中心部は、子供の頃から馴染んでいた所で、地図でも見慣れていたけれど、こうして船で一回りした事で今までの体験と知識が結び付き、自分との繋がりがより確かなものになったような気がする。
画像は吉野橋付近の大岡川と中村川の分岐点。
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2016年02月24日

横浜の都心臨海部に連接バス? In the central bay area of Yokohama, connected bus system is being planned?

2月20日付け神奈川新聞の記事によれば、横浜市は都心臨海部の回遊性向上に向け2020年までに連接バスなどを活用した高度化バスシステムを導入することを決めたとされている。LRTについては引き続き検討するとしているものの、担当者の声として、現在の自動車交通量では既存の車線を減らしてLRT専用軌道を確保する事は出来ないと書かれている。他からの情報も合わせて考えると、横浜市には現時点でLRTを導入する意図は無いのだろう。公共交通を充実させると言う点では望ましい方向だけれど、LRTの実現を望む立場からすると残念だ。しかしその可能性が無くなった訳ではない。まずは横浜市がこの2年間に行った調査の結果を公表し、市民と行政、関係者が課題を共有した上で検討や議論を出来るようにして欲しいと思う。
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2016年02月19日

さようなら神奈川県立近代美術館鎌倉 Good bye The Museum of Morern Art, Kamakura

神奈川県立近代美術館鎌倉

 1月31日に神奈川県立近代美術館鎌倉で最後の展覧会が終わり、もう今までのようにそこで絵や彫刻を見る事は出来なくなった。坂倉準三建築研究所が設計したこの美術館が開館したのは終戦からまだ間が無い1951年で、僕が生まれたのはその大分後だけれど、記憶の中には色々と懐かしい思い出が残っている。建築を志すようになって多少知識が増え新しい見方をするようになっても、その魅力が色褪せる事は無く、最も好きな建物であり続けている。
 改めて考えてみると、この建物は二つの点で特に素晴らしいと思う。
 一つは、周囲の環境に妥協せず新しい魅力を創り出している事。敷地は鎌倉の中心である鶴岡八幡宮の境内に位置し、もし今美術館を計画するなら、周囲の環境に配慮して傾斜屋根や落ち着いた色彩などを求められる事になり、このように池に張り出した白い箱のような建物を設計すれば、強い反対運動に遭ってしまうと思う。しかしこの建物が実際に周囲の環境を損なっているとは感じられず、逆に新しい魅力を引き出していて、単純に形や色を周囲に合わせるべきだと言う考えが浅く狭いものである事を教えてくれている。
 もう一つは、時代に即した設計が時代を超えた価値を生み出している事。建物が出来た時代の状況を反映して、外装や内装には高価な材料や特別な手仕事を要求されるものは使われていないし、建物全体は構造の鉄骨量を減らす為に軽量化が図られているのだけれど、優れた設計によって貧しさや弱さは感じられず、清潔さと気品を備えた一種抽象的な美しさが得られている。時を経て多少の物理的な劣化や改変が見られるようになっても、その本質的な価値は失われていない。
 多くの人達の努力が実り、この建物は県立近代美術館の役割を終えた後も壊されずに、鶴岡八幡宮へ引き継がれる事になった。素晴らしい建物に相応しい、素晴らしい使われ方をして欲しいものだと思う。

area045 建築家のコラム 2016年02月19日掲載
http://www.area045.com/mutter/290.html
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2016年01月29日

武蔵野美術大学4号館 Musashino Art University No.4 building

武蔵野美術大学4号館

前回に続いて去年の話し。
ヨーロッパから建築家の友人2人が日本に来て、何処を案内したら良いかと考え、僕自身も行きたいと思っていた武蔵野美術大学へ行く事にした。
時間が限られていて全ての建物を見る事は出来なかったけれど、皆の意見が一致して良いと言う事になったのは、芦原義信さんが設計し1964年に完成した4号館だった。
2階に油絵を描く為のアトリエと中庭が市松状に組み合わされて配置され、1階のピロティからそれぞれの中庭へ螺旋階段で出入りする。
図式がそのまま実現したような建物で、現在の目で見ると少し問題も有るのだけれど、硬さや息苦しさは無く、実際にとても上手く使われている。
友人の1人は、建築家の夢だ、と評していた。
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2016年01月20日

日産アートアワード2015 Nissan Art Award 2015

日産アートアワード2015

昨年末、横浜のBankART Studio NYK(バンカートスタジオNYK)で「日産アートアワード2015 ファイナリスト7名による新作展」を見た。
軽い気持ちで行ったのだけれど、とても充実した内容で、中でも石田尚志(いしだたけし)さんの「正方形の窓 2015」は素晴らしかった。
壁に穿たれた窓とそこから射す青い光を描いた絵が少しづつ変化する、6分60秒の映像作品。
夢の中の出来事のようでもあり、遠い記憶を思い出しているようでもあり、また展覧会の絵を次々に見せられているようでもある。
それぞれの瞬間に惹かれながらも次の瞬間に期待し、そもそも他の絵は何故動かないのかと考えてしまいたくなる。
私見では、グランプリアーティストは彼で次点は岩崎貴宏さんだと思ったけれど、公式な結果は別だった。
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2016年01月15日

恭賀新年之禧 Celebration of new year's pleasure

恭賀新年之禧

恭賀新年之禧。
今年の年賀状に書いた6文字。
禧はキと読み日本語では余り使われないけれど、漢語ではシーと読み楽しむと言う意味になる。
書としては、サインペンで書いたので線の色や太さに変化が無く、滲みや掠れも無いけれど、僕が書を書く時に大切にしているものはここに有るはずだ。
だからそれなりに自分の気持ちに合うものになっていて、また自分らしいものになっていると思う。
そうした事は僕にとって、展覧会に出す作品の出来栄えよりも重要なのだ。
年賀状を送ったかたから頂いた幾つかの感想は、どれも嬉しいものだった。

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2015年12月24日

2015年の漢字小品 The small work of Chinese character in 2015

山影入門推不出 月光舗地掃還生

11月に横浜で、僕が所属している書道団体の展覧会が有り、画像に載せた漢字の小品を出品した。
上野で行う大きな展覧会と違って作品が少なく審査も無いので、友人や親類に見て貰うには良い機会だ。
そうして見に来てくれた人から感想や批評を聞かせて貰うと参考になるし、励みにもなる。
今回はある先生から、このような硬い線を書いていては駄目だと言う助言を頂き、別の友人からは、柔らかい線なので意外だったと言う感想を貰った。
正反対の意見のようだけれど、僕が普段から硬い線を書いていて、毛筆を使えば当然柔らかい線になるけれどまだ硬い、と言う事なのだと思う。
ではこれからどうするのか、と考えると、中々悩ましい。
「山影入門推不出 月光舗地掃還生」
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2015年12月18日

"横浜にLRT"フェア The fair "LRT in Yokohama"



12月13日、横浜駅西口のかながわ県民センターで、横浜にLRTを走らせる会の主催による"横浜にLRT"フェアが開催された。
内容はLRTに関する写真やパネル、ジオラマ模型の展示、路線案ワークショップ、運転シミュレーター、動画上映とその説明など。
僕も参加している同会は今までフォーラムや勉強会、街歩きなど様々な活動を行い、展示も色々な場所で行って来たけれど、これだけまとまった内容を見られる機会を設けたのは初めてだった。
フォーラムや勉強会と違って好きな時に来て好きなだけ居られるので、敷居も低くなっていると思う。
画像に載せた写真は路線案ワークショップで来場者がそれぞれのLRT路線を考えている所。
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2015年12月09日

日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか Why Japan can't stop the base and the nuclear power plant

日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか

今年、安全保障関連法案を巡る騒ぎの中で読んだ矢部宏治氏の著作「日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか」は、一方で目を開かせてくれるように興味深く、また一方で苦々しいものだった。
大きな問題になっている米軍基地と原発が有り続ける理由を、第二次大戦後の占領時から続くアメリカの政策とそれに応える日本の体制から説明していて、とても説得力が有る。
今までの自分を振り返えると、アメリカは終戦を境に敵から占領者、そして教師、支援者に変わり、日本はそれに従う事で国際社会に復帰し、繁栄を手にしたと言う「常識」を鵜呑みにして、考える事をやめ、目をつぶって来たのかも知れないと思う。
そしてその状態は、自分の事だけを考えれば、居心地が悪くないものだった。
しかし沖縄や福島の多くの人達にとっては全くそうではなく、これからの自分にとってもそうであり続ける保証は無いだろう。
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2015年11月25日

藤原陶房訪問 Visiting Fujiwara Earthen Art Studio

蛍硝子の製作

先月10月のある日、栃木県益子に有る藤原陶房を訪ねた。
僕の事務所で今設計監理をしている住宅の改修工事で使う蛍硝子と言う材料を作っている所だ。
蛍硝子は蛍光管を再利用し、低音焼成して蛍光粉を残したまま水銀を除去する。
厚く、深みが有る半透明の表情を持つそれは、普段見慣れている板硝子とは随分趣きが違う。
陶房を主宰する藤原郁三さんはその他にも陶板を中心に、モニュメントや穴窯で作る邪鬼など色々な物に取り組まれていて、話しが尽きない。
仕事の中の一時、とても楽しい時間を過ごす事が出来た。
画像として載せた写真は、砕いた蛍光管を並べて奥に見える電気窯で焼く準備をしている所。
冷ます時間を含めて1回1週間、今回は4回で1ヶ月位の時間が掛かる。
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2015年11月03日

丈青、スパイラルの音 Josei, the sound of Spiral

I See You While Playing The Piano

南青山に有るスパイラルは1985年に完成し、それを設計した槇事務所に僕が就職したいと思うきっかけになった建物だ。
最近、そこに有るスパイラルレコーズから出ている丈青と言う人のCD、"I See You While Playing The Piano"(アイ シー ユー ホワイル プレイイング ザ ピアノ)を聴いて、久し振りに心を奪われる程の新鮮な音、音楽に出会ったと感じた。
12曲の内オリジナルは5曲で、それ等がとても瑞々しく、気品と活気の両方に満ちている。
残りの7曲にはマイルスデイビスやジョンコルトレーンなどのジャズと山田耕作の赤とんぼを入れ、オリジナル曲と違和感無く弾き切っている。
自分の周りに有るものを受け入れ、その上で新しい世界を作ると言う事が見事に出来ていて、スパイラルの名に相応しい音楽になっていると思う。
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2015年10月22日

教養としての聖書 To read the Bible as culture

教養としての聖書

以前、キリスト教徒でなくても一度は読んでおくべきだと思って新共同訳の聖書を通読したけれど、ただ読んだだけでは解らない事が多過ぎて、特に旧約の部分はその世界に親しんだと言う以上の意味は無いようにさえ思えた。
最近になって読んだ橋爪大三郎著「教養としての聖書」は、聖書の中から6書を取り上げ、授業を模した対話形式で話しが進められていて、解り易くまた得られるものが多かった。
例えば、少しは解ったつもりになっていた新約の部分について、多くの書簡を書いたパウロが実際にはイエスに会った事が無く、他の人が書いた福音書も読んでいなかった事や、福音書と書簡、黙示録を書いたヨハネがそれぞれ別人である事など、この本を読むまでは考えてもみなかった。
時間を作って、新約聖書だけでももう一度読んでみたいと思う。
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2015年10月09日

田中千智展 Chisato Tanaka Solo Exhibition

田中千智展

先週末、横浜市民ギャラリーの田中千智展を訪れた。
会場に入ってすぐ、新しさと懐かしさが一緒になったような不思議な魅力を感じて、それが何なのか考えている内に、それぞれの絵の背景に自分が強く惹かれている事に気付いた。
アクリルで描かれた黒い背景はほとんどむらが無く平板なのだけれど、油彩で描かれた手前の人や物と響き合って不思議な清潔感と深さを感じさせ、人や物を引き立てると言う以上に活き活きとさせている。
作者の言葉によれば、ある時絵の背景を黒く塗ったままどうしようか考えていて、黒いままでも良いのではないかと思った事がきっかけだと言う。
その魅力的な背景と一緒に描かれた人物の表情は意図的に抑えたものになっているらしく、服や木、街並みなどの鮮やかさの方が印象に残った。
会期は10月18日まで。


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2015年10月05日

藤江和子さんの仕事 Fujie Kazuko's Works

Fujie Kazuko Works 1997-2015

少し前、家具デザイナーの藤江和子さんから"Fujie Kazuko Works 1997-2015"と題する作品集を送って頂いた。
僕は槇文彦さんの事務所に居た時に何度か一緒に仕事をさせて頂いて、独立してからは残念ながらその機会が無いのだけれど、その間に随分と幅広くまた積極的に仕事をされていたものだと、改めて感心をした。
建築家は他の専門家と協力して仕事をする事が多いけれど、家具デザイナーとの協働はお互いの領域が重なり合う事が多く、独特の難しさが有る。
家具デザイナーの側から見ると、家具が建築に合わないのは勿論良くないし、合わせ過ぎてもつまらない。
そうした中で自分自身の表現を成り立たせて行くのは至難の業で、僕が知っている限り、藤江さん以上にそれを立派にやり遂げている人は居ないと思う。
posted by masaaki at 19:38| Comment(0) | 建築 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする