
先月7月の11日、神奈川県立音楽堂で前橋汀子さんが演奏するバッハの無伴奏バイオリンソナタとパルティータの演奏を聴いた。
お喋りや演出などは一切無く、舞台上で1人、300年前の楽器で300年前の音楽を奏でて行く。
その演奏が、喩えようの無い位に素晴らしい。
今まで僕が聴いた様々な音楽が皆、色褪せてしまうようで、寂しいと言うか、恐ろしい気持ちさえした。
不思議なもので、このソナタとパルティータは、1つの楽器で合奏をするような構成になっていて、かなり不自然な部分が有るのだけれど、その不自然さがまた素晴らしく感じられてしまう。
バッハがそれだけ偉大だったのか、前橋さんが素晴らしいのか、或いは歴史の厚みがそう思わせるのか。
アンコールの演奏は、無くべくして無かった。