
九成宮醴泉銘(きゅうせいきゅうれいせんめい)は中国の唐時代に欧陽詢が書いたもので、書を習っている人なら誰でも知っている楷書の名品だ。
文字の構成は揺るぎ無い位に整っていて、線は鋼のように力強く、人を寄せ付けないような厳しさを持っている。
見た印象としては冷たく、また息苦しい感じがして、以前からどちらかと言うと苦手だった。
しかしそれを臨書として実際に書いてみると、実力通り上手く書けないにしても、近付こうと努力した分、厳しさや強さが多少は得られるもので、思いの他楽しかった。
その厳しさや強さは、自分なりに自由に書いていたのではまず得られないものだろうと思う。