2009年09月30日

坂倉準三さんの事


神奈川県立近代美術館

先日まで、神奈川県立近代美術館鎌倉とパナソニック電工汐留ミュージアムで「建築家坂倉準三展」が開かれていました。
坂倉さんは高名な建築家ですが、比較的早く亡くなってしまったせいか、世代が近い前川國男さんや吉村順三さんに比べると、現在は話題になる事が少ないように思います。
しかし展覧会の内容を一通り見て、家具から建築、都市計画までの幅広い分野で華々しい活躍をされていた事に、改めて感心させられました。
坂倉さん個人が優れた方であった事は勿論ですが、社会が建築家に求める役割が現在と比較に成らない程大きい時代であったと言う事も確かだと思います。
もう一つ考えさせられた事として、私個人の見解ですが、あれだけ多くの重要な仕事をされたにもかかわらず、建築作品として見た場合には、最も早い時期に設計されたパリ万国博覧会日本館と神奈川県立近代美術館を超える物は、その後できていなかったように思えます。
特に今回の展覧会会場でもあった後者は、今でも清新で軽快な魅力に溢れていて、私が最も好きだと思える建築の一つです。
posted by masaaki at 21:20| Comment(0) | 建築 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月23日

大樹迎風


大樹迎風

建築家仲間のarea045(エリアゼロヨンゴ)で横浜の三渓園に有る月華殿と金毛窟と言う建物を借りて集まる事になり、茶室に懸ける書を用意する役回りになりました。
風に関係が有るものと言う事でしたが、あまり時間が無かったので、2年前色紙に書いた「大樹迎風(Da shu ying feng)」と言う字句を選びました。
「だいじゅかぜにむかう」と読んで、大きな木が風に逆らう事無く風を受け止めていると言う、おおらかな様子を現わしたものです。
さすがに2年前のものは気に入らないので、もう一度王羲之の書などから集字をして、今の気分に合うように書き直したのが、画像に載せたものです。
これだけを見てしまうと自慢できるようなものではないですが、当日は良い場所に飾って頂いた上に、前に花などを生けて頂いたので、馬子にも衣装と言う感じになりました。
これをまた2年後に見ると、恥ずかしい気持ちになるのだと思います。
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posted by masaaki at 16:14| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月19日

横浜カーフリーデー2009


横浜カーフリーデー2009リーフレット

今年もカーフリーデーの季節になりました。
市街地でクルマを使わない日を設けて、交通問題や環境問題を考え直すきっかけにしようと言うものです。
今回日本では9月22日に行われ、昨年の横浜、松本、名古屋、福井、那覇、さいたま、高松に加えて逗子、春日部が加わり、9都市が参加する事になっています
この中で横浜だけは、行政ではなく市民が活動の中心になって開催されます。
先日辞任した中田宏前市長の時代は、カーフリーデーにしてもLRTにしても、気持ちは賛成だけれどもお金や人は出せない、と言う感じでなかなか協力が得られなかったと言うのが実情でした。
林文子新市長は、自動車業界出身の方とは言え、選挙前に横浜カーフリーデー実行委員会や横浜にLRTを走らせる会が行ったアンケートにはかなり前向きな回答をされていましたので、今度の市長交代が良い方向に向かうきっかけになればと思っています。
当日は、私も横浜にLRTを走らせる会の一員として参加させて頂く予定です。
横浜カーフリーデーのサイトは以下です。
http://ycfd.org/
posted by masaaki at 00:10| Comment(0) | 交通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月16日

笠森寺


笠森寺観音堂

先日ふと思い立って、千葉県の笠森寺を訪ねました。
奈良時代に創建された天台宗のお寺で、中心となる観音堂は四方懸け造りと呼ばれる特徴的な建物です。
日本の伝統建築は良く言われるように水平方向に広がりを持つ事が一般的で、塔が有っても外からしか見る事ができないものが大部分なのですが、このように垂直方向の空間体験ができる建物も有ると言う貴重な例です。
また周囲の森は創建当時から人の手が入っていないと言われていて、境内と連続した豊かな環境が残されている事も素晴らしいと思います。
正直に言って大きな期待は持たずに出掛けたのですが、とても良い経験をさせて頂きました。
こちらの心の貧しさを観音様が救って下さったのかも知れません。
横浜や東京からそれ程遠くなく、バスの便も有るので、行かれた事が無い方にはお勧めします。
posted by masaaki at 12:05| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月11日

T自治会館実施設計完了


T自治会館模型

昨日9月10日、ずっと取り組んで来たT自治会館の実施設計が完了し、建設委員会の方に図面をお渡しして来ました。
しかし図面の日付は8月8日となっています。
本来ならその日までに終えなければならなかったのですが、お恥ずかしい事に満足できる水準まで仕上げる事ができなかったので、余計に時間を頂いたのです。
着工までにはまだ時間が有るとは言うものの、こうした事はなかなか許されるものではありません。
最近は建築の世界でも効率、効率と、無駄を省いて成果を上げる事ばかりが求められるようになってしまって、手間と時間を掛けて良い物を作りました、などと言う事は自慢できないのです。
少し愚痴っぽくなってしまいましたが、自分としては来年始まる工事監理にも真摯に取り組んで、この建物が最良のものになるようがんばろうと思っています。
posted by masaaki at 17:19| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月05日

街で見掛けた木格子


A苑の木格子

前回書いたB堂ビルディングに向かう途中で、変わった建物を見掛けました。
A苑と言う高齢者施設で、道路から見える表面全体が白い木の格子で覆われています。
格子自体は日曜大工の店で売っているような物で目新しくはないですが、ここまで大々的に使われると壮観で、詩的な雰囲気さえ感じられます。
どうと言う事がない素材でも使い方次第ではおもしろい効果が有るものだと、しばらく感心しながら眺めてしまいました。
ただしこの格子の役割を考えてみると、施設の性格からして単なる日除けと言う訳ではなく、プライバシーを守る為の目隠しになっているのだと思います。
そうであればこの格子を疎ましく感じる人がいるのかも知れませんし、先に書いた詩的と言うイメージも少しばかり皮肉めいたものに思えてきます。
素直な気持ちで建物に向き合うと言う事はなかなかできないものだと、少しばかり悲しくなりました。
posted by masaaki at 00:23| Comment(0) | 建築 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする